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ラストタンゴ・イン・パリ

Posted by Tommy on 07.2011 未分類   0 comments   0 trackback
      
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『ラストタンゴ・イン・パリ』

原題:LAST TANGO IN PARIS/ULTIMO TANGO A PARIGI
製作年度:1972年
監督:べナルド・ベルトルッチ
撮影:ビットリオ・ストラーロ
出演:マーロン・ブランド、マリア・シュナイダー、ジャン=ポール・レオ


ヨーロッパ公開時に「猥褻だ」として僅か4日間で上映禁止になったベルトルッチの問題作。だが、今という時代で考えると、一体この映画の何処が「猥褻」なのだ?と思ってしまう。 それだけ性愛に対して保守的な時代にベルトルッチが描こうとしたのは、何だったのだろうか?

醜い落ちぶれた中年男にしか見えないマーロン・ブランドとセックス・アピール皆無のマリア・シュナイダーのカップルが醜悪な雰囲気を撒き散らす。言葉も意識も少しずつずれ合う男と女が、拒絶したコミュニケーションの中で、性愛だけを唯一の言葉となし得るのか? 男と女の過去と現在が交錯する中、肉体のつながりだけがもたらしたのは一体何だったのか・・・。

不毛なコミュニケーションは、結局「擦れ違う」という結果しか繋がらない。必然的に愛の形はいびつなものにしかなり得なかったといえる。 性愛が安い消費対象の快楽として捉えられる事さえある現代にあって、この作品は最早古典的とさえ断言出来る。しかし、例えそうであっても、作品の示した命題が解決したことにはならない。というのもまた自明の理であろう。

ジャン=ピエール・レオ演じるトムが映画製作をしているという設定は、この作品それ自体が「映画」の隠喩と言える事は分かり易い程明白である。 劇中至る所にその様な示唆が満ちているのだ。この事実を踏まえて再度鑑賞すれば、この作品が映画、そしてベルトルッチ本人に対しての重要な自己批評である事が理解出来る。

特に見事なのは、終盤主人公二人が入ったダンスホールで、大勢のコンテストの出場者によって繰り広げられるタンゴを俯瞰ショットとアングルを多用し、実に効果的な効果を生み出し、的確かつ端正に演出した場面の心地良い陶酔感だ。

その流れを維持したまま、次の二人の追跡劇に雪崩れ込み、最後のブランドの死で完結するまでベルトルッチが怒涛如く圧倒的な演出力で押しまくる。全体的に映像や技巧に耽溺せずに、ここぞという場面でその種の手法を使っている事が素晴らしい。

最後に、何故ブランドは死ななければならなかったのだろうか? 簡単だ。 それは彼が(密会)映画の終わりを次の(密会)映画の始まりと勘違いしていた事で、映画が終わった事を認識せずに或いは意図的に現実に背を向け、(幻想)映画に未練を残した事にある。

ブランドが言ってる事は完全に間違っている。映画の終わりは決して映画の始まりではない。映画の終わりは現実の始まりなのだ。 それらの事実を認識せずに映画を制作する事は許されないし、そんな輩の作る映画を観たくもない。

彼らには映画を巡る諸問題を自分の生きる現実とは比較・対比せずに、映画を巡る問題そのものを生きる事が映画だと勘違いしている人が居る。

時に映画は反映としての現実である事はあるし、反映としての現実でない事もある。しかし、現実の反映ではない映画はこの世に存在しない。こう考えれば、ブランドが絶対に死ななければならなかった理由は最早明白だろう。何故なら彼は明確に映画原理主義者だからだ。

ベルトルッチによる本作「ラストタンゴ・イン・パリ」は男女の刹那的な物語を描きながら、映画自体そのものを巡る根源的な問題に深く切り込んでいった実に見事な作品である。

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Tommy

Author:Tommy
永遠の趣味である映画に対して、変わらぬ情熱を持つTommyです。

独自の視点で映画を語ることが大好きで、いろんな意見交換をしたいとも思っています。スタイリッシュな映画監督の作品は好きで、自分の世界を確立している人の作品にはいつでもハッとさせられます。自分自身も独自の世界を築いて行きたいです。

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